Recruiters BLOG

2022.04.19

為替レートと給与

弊社人材紹介部門の取り扱いの多くは、求人においてはIT系、特に外資系企業、応募者についてはバイリンガル、外国人である。言葉の問題、文化の問題もあり、参入が容易な人材紹介業においては、比較的参入者が少ないエリアなのだが、反面、一筋縄でいかないケースも多い。特に、処遇については、応募者は徹底的に主張する傾向がある。日本流とはかなり違うが、決して自分勝手だとネガティブに捉えないことにしている。多くのケースでは、処遇に見合った期待に応えられなった場合には、辞めるという前提を感じるからある。潔いとも言えるが、軽薄とも言える。一見落ち着かない感じでも、人材マーケットから排除されることは稀である。なぜなら、転職というチャレンジをポジティブに評価する、自己主張できないことを軽蔑する、そういったビジネス文化が背景にあるからだ。多くのリクルーターも同じ見解を持っているかと思う。

さて、この頃感じていることが、急速に進む円安が内外給与差をさらに加速させるだろうと危惧である。弊社ビジネスにとっては追い風であるが、伝統的な日本企業ではさらに人材の硬直化の要因になる。優秀な外国人は日本を素通りする。優秀な日本人は日本を飛び出す。人材を失った企業、組織は衰退する。当たり前のことである。コロナ禍が収まったら、急速に加速する筈である。僕自身、1$が80円の円高時代のアメリカに、日本企業の駐在員と暮らした実体験があるので余計にそう思うかもしれないが。強い通貨で給与をもらい、弱い通貨の地域で暮らす分にはいいが、その逆は情けない。

日本の今後を考えれば、若い方々には是非、海外や外資系でチャレンジしてみることをお勧めしたい。千載一遇のチャンスである。苦労は多いが、対価が十分であれば士気は保てる。嫌な思いをしたときは、金をもらって英会話教室に通っていると思えばいい。失敗しても糧になる。図太い神経を育成できる。もし、お払い箱になっても多くの場合、結構な金銭を払ってくれる。次の転職が閉ざされるわけでもない。時代が、円安が、背中を押してくれているのだ。