気の利いた贈り物(お土産編)

新学期のシーズンである。卒業の時期でもある。親しい人への贈り物にはいつも頭を痛めてしまう。こういった大きなイベントについて、他の方からの重複にも気を遣いながら考えていくとやはりお祝い金、商品券といった汎用性のあるものになってします。致し方ないと思う。一方で、餞別やお土産となるとかなり柔軟な発想できるため、結構楽しい。今までで嬉しかったお土産の一つが書物。まだインターネットが普及していなかった1990年代に海外にいたが、日本語の本は入手しづらく値段も日本の数倍と高かった。そんな時、たまに訪れる日本の取引先の社長の粋なお土産は楽しみだった。機内エンターテイメントも今ほど充実していなかった当時は、誰もが空港の書店で本を購入し機内で読んだものである。その社長は、ジャンルにこだわらずに面白そうな本を何冊も購入するそうで、その中でピンと来たものをお土産として渡してくれた。ただ一言「面白かったので読んでみれば、、」という言葉を添えて。ハズレはなかった。そのほとんどが、今も本棚にありたまに触れて読み返す。その時の自分を思い出しながら。こんなに大事にされるお土産はそうはないだろう。