暑い夏は道草がいい その2

暑い夏は道草がいい その2

普通に考えれば、新大阪から新幹線で帰京。少々、寄り道をするなら新快速で京都あたりに寄って、あとは新幹線。以前、出張の際には後者のような道草を楽しんだ。京都の東山、祇園あたりを散策し、鴨川沿いのいづもやでうなぎ弁当を買って車内で食すとか。今回はお盆の週末なので、新幹線、観光地は激混みに決まっている。真夏のひといきれは勘弁と考えて、思い切ったエスケープルートをとった。広域の地図で眺めると、どうやら距離的には渥美半島経由が最短。最短距離が寄り道とは面白い。難波から近鉄特急で松阪に1泊し松阪牛の夕食。翌日は、伊勢には行かず二見ヶ浦から鳥羽。船に乗って伊良湖岬に立ち寄り路線バスとローカル電車で豊橋。旅費も新幹線より少々安かったので、その分を一等車、一等客室の追加料金に回してわずかな贅沢。道草のおかげで気付いたことが幾つかあった。1つ目は観光地以外は閑散としていた。松阪の街で人とすれ違ったことは稀で。フェリーの2階客室はほぼ貸切、路線バスは他の乗客なしと不思議な世界を体験できたこと。2つ目は海の道を感じたこと。そういえば、伊良湖岬は島崎藤村の椰子の実で聞いたことがあったが、確かに太平洋につながっている。ネットで検索したら、以前に石垣島からヤシの実を放流し実験した記事があった。いくつかは岬ではないが渥美半島に流れ着いたとのこと。それに加えて、この冬スキーの帰りに蕎麦を食べに立ち寄った、信州小諸の懐古園に椰子の実の歌碑があったことを思い出した。何か不思議だが、寄り道は、頭の体操、脳の活性化にはいい。

さて、後日談。同じ時期に甲子園に行っていた友人は、日本海回りで北陸新幹線で帰京した。台風による東海道新幹線がストップしたためのやむをえずを取ったルート。その話を聞いて、目からウロコ。過去100回以上は関西に行っているが、このルートは思い浮かばなかった。自分の視野の狭さ、柔軟性のなさに改めて気付いたことが、この夏の道草の3つ目の発見だったかもしれない。