何とかならないか、和暦と半角カナ

先日、偶然に出入国記録を開示するというサービスを知って、早速申し込んだ。自身の記憶では100回以上海外渡航歴があるので、この際確認してみたいという動機である。どんなふうにデータ管理をしているのかという、職業的な興味も多少はあった。手続きは相変わらずのアナログで申請から1か月の時間を要したが、無事書面を受領した。データ項目が各回完全に記載されているわけではないが、日付を追っていく限り正確に記録されているようで安心した。イミグレーションもデータ管理担当も意外にちゃんとやっているという印象で妙に感心した。
さて、本題。眺めている間におかしなことに気づいた。各書類よく見てわかったこと。それは年号表示である。表紙は令和5年という和暦、中身の調査票の記載は西暦なのだ。外国との情報交換があるであろう出入国記録は30年前以上から西暦表示になっているようだが、表紙「保有個人情報の開示をする旨の決定について(通知)」では、見事に和暦でしかもご丁寧に印鑑が印鑑が押している。表題もわかりにくいが、和暦に印鑑とはいまだに昭和だと少々びっくりした。となると、好奇心旺盛な天邪鬼としては、他はどうなっているのかと手元にある情報で西暦、和暦を確認することした。結果は、おっとっとである。パスポートは西暦(当然です)。免許証は和暦。マイナンバーカードは摩訶不思議で生年月日が和暦で有効期限が西暦。何じゃこれ!というわけで、社会保障や保険関係にも目を向けた。年金記録は和暦オンリー、民間生命保険の日系大手明治生命はご丁寧にも和暦に西暦をかっこ書で併記。外資系のプルデンシャルは西暦のみ。お次は銀行。まずは、メインバンクSMBC。通帳が和暦でネットバンキングは西暦。みずほは全て西暦。地元の銀行は全て和暦。ここまでで力尽きた。
「デジタル庁よ、何とかしてしてくれ。」と言いたい。半角カナ問題も含めて、早く解決しないと効率化を阻み続け、経済ロスにつながり、ひいてはガラパゴスの深化を経て国力衰退を加速させる。和暦、半角カナがどれほど効率化の足をひっっているかの調査を見たことないが、かなり大きいことには違いない。利用者サイドでは、変換手続きの手間や入力エラーの頻発。提供サイドでは、データ整備クレンジングの負担増とビッグデータAI活用の足枷。システムサイドでは付加価値がないパフォーマンスに負担となる余分なプログラム開発とテスト、メンテナンス。外国人はチンプンカンプン。想像するだけでも、ゾッとする負担。半導体が現在の数千分、あるいは数万分の一の時代に設計されたプロトコルにいまだに縋っているとは情けない。歴史や伝統を言い訳に和暦問題の根本解決を図れないのは、怠慢。身近で大きな課題から逃げては未来はない。高慢なDXレクチャーする前に、データ基盤をすっきりさせようよ。