サマータイム

次の週末から、今年も多くに国がサマータイムに移行する。日本では時々話題となって、小規模な実証実験が行われたことがあったが、国レベルでは全く盛り上がらない。サマータイムの中で数年過ごした人間としては、何とも残念。
緯度や緯度で違いがあるが仕事の後でも結構明るい。この明るさを利用して普段であれば週末にしかできないこともできる。その明るい時間を上手く活用すれば、本人の健康増進はもちろん、家族円満、知人友人との友好関係維持にも役立つ。また、朝早く起きることは暑くなる前の時間帯の活用であり、省エネにも大きく貢献する。僕から見れば、いい事づくめに感じる。米国では、サマータイムの恒久化が上院で可決されたほどである。
サマータイム反対の理由は主に3つある。まずは健康被害。これは海外でも問題視される機会も多い。確かに自然に摂理に逆らうことになるが、身近で具体的な健康被害は聞いたことはない。サマータイム導入国と密に連携している日本在住者が、サマータイム不適応症候群で病んでいるという話も聞かない。春の開始日の朝はさすがに眠いな、という程度である。日々の残業のほうがはるかに不健康。
2番目は残業が増えるという懸念。日本人は明るいうちに帰宅しない、という都市伝説である。これは真っ赤なウソ。明るいうちに解放された勤め人がその快適さを知ってしまうことを恐れる、一部の経営者や管理者の威圧でしかない。
3番目はシステム障害のリスク。個別にはそれほどの問題には感じない。海外製のソフトは対応済みであるし、国産でも市販ソフトは問題なく対応できるだろう。個別開発のインフラ系でのリスクが論じる向きもあるが、プログラム変更はそれほどの難易度はないような気がする。とはいえ、リスクを把握するために点検をすることは不可避である。実はこの作業が嫌なだけではないか?万が一不具合があった場合の対応を恐れるとか。システムに限らず、各種ルールの単純な手直しや告知、確かに面倒は面倒。でも、この際伏魔殿のようなレガシーシステムを見直すいい機会と考え着手した方がいい。
エネルギー危機、地球温暖化に対応するには、原発の稼働とか電気機器の省エネ化というハードの話だけでは全く片手落ち。人の行動、習慣を変えるというソフトの観点がより以上に大切。サステナビリティのためには、サマータイムはいい意味でのショック療法になる。議論すら沸き起こらないのは不思議でしかない。