現代の文房具とシュレッダー

会社勤めをしていた若い頃、その時転勤で来た直属の上司が結構変わった人で、数日かけて身の回りの文房具を整理していた。移動元から配送された文書や資料ではなく、文房具である。本人によれば、いい仕事をするには身の周りを整理整頓することが重要との理屈であった。なるほどであるが、机の中には文書やファイルほとんどなく、文房具とお菓子ばかりであったが。まだ、インターネットはもちろんパソコンもワープロもなかった時代である。これで仕事できるのかと不安に感じたが、案の定、適当な仕事ぶりで短期間で他の部署へ去ってしまった。
あれから、30年以上経って不意にその事を思い出した。あの人は、神だったのかもしれない。たが、少し生まれるのが早すぎた。
今、私の書斎兼オフィスにはMAC2台とiPhoneとペンが数本あるだけである。現代の文房具は極めて優秀、ほぼ世界中とやり取りできる。面倒なのは、日本の役所とのやりとりでだけである。こちらは、相変わらず、紙地獄である。とは言え、いずれはペーパーレスに移行するであろう。
この過渡期の中で、是非提案したいことがある。シュレッダーを活用する。必ず、一人一人で使う。
実際、紙の扱いで苦しんでいる人も多い。私自身、ペーパーレスコンサルだのといった偉そうな事を言っているが、プロジェクト開始前に、社員全員にシュレッダーを配布して身の回りの紙を減らす試みを提案したいと思っている。目的は、意識改革。不要なものはシュレッダーにかける。毎日その行為そのタスクを繰り返せば、常に周りは身綺麗になる。リアルタイムで処理するので、判断も正確である。時々、廃棄していいのか迷うものもあるが、思い切ってシュレッダーにかける。どうしても不安だというシュレッダー初心者は、迷った書類は整理せずバケツに放り込んでおけばいい。1年たったらシュレッダーにかければいい。特に問題はないはずである。後生大事に保管していた紙の多くが不要だとわかるはずである。
大事なポイントは、毎日シュレッダーにかけること。1週間、1ヶ月まとめると、判断が鈍くなる。スペースの確保、要らない情報への未練断ち切りという効果はもちろん、頭の中にシュレッダーが備え付けることができれば、情報へのセンシビリティも磨くことになるし、精神衛生にも役立つ。