日本はデジタル後進国                        Japan is a digitally underdeveloped country

久々の投稿になります。新年度を機に、週1回程度、感じたことを書き綴りたいと思っています。
今回は、日本のITの立ち位置について。気がついてみると、いつの間にか、中位国になってしまった。国際的なデジタルランキング調査では2021年28位。奇しくも、賃金や物価、円の価値と歩調を合わせるような衰退ぶりである。経済規模と比較すると、情けないほどの乖離。コロナ禍の対応は、その事実を恥ずかしいほど世に晒した。
そこそこのカネで、大した汗もかかず、希薄な危機感の中、リスクも取らず、ガラパゴスに甘んじた過去のツケである。
その昔、ビルゲイツが面白いことを言ったのを覚えている。パソコンは1年待てば間違いなく安くなるけど、その1年を無駄にしていいのかい?といった、趣旨だった。短期的な売上促進を上げるメッセージでもあるけど、真実をついている。
なぜなら、時は瞬く間に経過し、後戻りできない。
今、日本でもDXを念仏のように唱えているが、たとえ投資を強化しても、IT人材の増員を図っても、以下の点の理由でうまく進まない気がする。
まずは、人材育成。ツールの使い方以前に、時間の重要さ、情報の重要さを徹底的に認識しない限り、思うようにはいかないだろう。時間は全ての物事に共通する尺度。トライアルアンドエラーを尊重し、朝令暮改であっても「時間とは全ての人に平等に与えられたリソース」「売買したり、巻き戻すことは出来ない」という当たり前のことを忘れずに、スピードアップすべきである。「急いては事を仕損じる」と傍観していては、このグローバル競争時代には通用しない、言い訳にもならない。時間に対する意識変革が必要である。
加えて、情報についての重要さを認識し、個人でも集団でも、絶対量を増やすことが必須である啓発も不可欠になる。限られた偏った情報は判断を狂わすことは、今のロシアを見れば明白。情報は多ければ多いほどいい、決して言い過ぎではない。一昔前であれば、情報に埋没する危険性が高かったが、BIやAI技術のサポートによって、迷宮に入らずに済む状況になった。より以上に、情報の活用に時間を割けるのである。テクノロジーと人間の分担、協業への徹底した考察、情報を最大限得るための工夫やマインドセットも重要な前提となる。
ツールをベースに、キーワードを連呼する日本型DX推進方法を大いに危惧しているが、はたしてデジタル後進国から脱出できるのか、注目である。