Recruiters BLOG

2020.12.24report

コロナと人材

2020年のコロナ禍は、あらためて「人の存在」を世界中に突きつけた。
明らかになったのは、媒介としての「人」とリソースとしての「人」である。
ロックダウンだの、GOTOラベルだの、時短要請だのといったマクロ視点、すなわち媒介としての「人」に関しては、その動きをコントロールする議論をいやというほど行なっている。
一方で、ミクロ視点、すなわちリソースとしての「人」の議論がすっぽり抜けている。典型的な事象は、ベッドを増床したのに、医師や看護師が足りない、といった類の話である。まさに、兵站(へいたん*)で負けた太平洋戦争さながらの状況だ。
紙幣を刷れば財政出動できる、実は権限さえあれば、お金を捻出することは容易なのである。
一方で、リソースを調達することは容易ではない。なぜなら、人には性格や知力、体力、経験と行った個性があり一筋縄ではいかない。
しかも、啓発や教育には多大な手間と時間が必要である。
財政支出が即効薬にはならないのである。コロナは、社会経済における、人の持つ2面性を浮き彫りにした。
コロナ禍が、人材に関するテーマ、例えば、流動化、育成、教育、雇用モデル等々の議論の活性化を加速している。
Withコロナでの人材戦略は、採用人数は抑えても、業績維持・向上のために、より高い生産性を実現することが不可欠だ。
これまでメンバーシップ型採用が主流だった日本でも、これからはジョブ型採用の進行など、よりハイスキルな人材、専門性の高い人材の活用によって、経営を前進させていこうとするだろう。

企業は、より明確に自社のミッション、ビジョン、事業戦略を語れること、その上で、人材に何を求めるのかの目的を示せることが重要になるはずだ。
(*兵站・・戦場で後方に位置して、前線の部隊のために、軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保などを任務とする機関。―Oxford Languagesの定義)